磁気を使ったセンサー
2024.08.26
以前、光を使ったセンサーを紹介しましたが、今回は磁気の性質を利用したセンサーを紹介します。
■近接センサー
近接センサーはセンサヘッドにコイルをもち磁界を発生します。センサーの前に金属が来ると誘導電流が発生します。これにより金属が近づいたことを検知します。
光を使ったフォトセンサーと比較し、グリスやホコリなどの汚れでも安定して検出できるので、汚れの懸念があるところでよく使用されます。
出典:オムロン株式会社
■ホールセンサー
電流を流した素子に磁界が通るとローレンツ力により直角の向きに電圧が発生します。これをホール効果と呼びます。ホールセンサーは半導体技術で作られ、スマートフォン、扉の開閉検知、回転センサー等々、多くの製品や部品に組み込まれています。
■リードスイッチ
リードスイッチはガラス管に2本のリード線を封入した構造をしています。常は2本リード線が離れていますが、磁石を近づけるとリード線が磁化して引き寄せ合い接点が繋がります。リードスイッチは構造が簡単でガラス管に不活性ガスを封入しているので、一般的な接点スイッチより小型で長寿命・耐環境性にも優れています。
出典:スタンデックス エレクトロニクス ジャパン 株式会社
■フロートスイッチ
フロートスイッチは液面を検出するユニークなセンサーです。前項で紹介したリードスイッチと磁石を内蔵したフロート(浮き)で構成されています。水面が上昇し沈んでいたフロートが浮かぶと磁石の作用でリードスイッチの接点が入ります。
リードスイッチは磁気を利用しているため、液体から完全に隔離でき短絡の心配がなく使用できます。
出典:株式会社木村製作所
■まとめ
磁気を利用したセンサーはフォトセンサーの次によく使います。磁気は目に見えませんが、その性質により環境性能が優れています。身近ではスマートフォン、タブレット、扉の開閉センサー、各種スイッチに使用されています。当社でも特性にあった方法で適材適所に使用しています。
吉岡 亮