窓から見えるパースに注目してみよう

2021.11.30

生活の中の科学シリーズ。

最近光の科学見えるってどういうこと?といったテーマを考える機会があったのですが、
考え事をしながらいつもの仕事場からふと外をながめていると不思議なことに気が付きました。

下に説明を書いているのですが、読む前に動画をみて違和感に気づくでしょうか。。。?

私が気づいたことはブラインドの線と家の角のラインがどの角度から見ても重なる!という発見でした。

パース1.jpg

パース2.jpg

これは一体なにが起こっているのでしょう?
考えるヒントを挙げます。

1.遠近感の基本

立体物の絵を描く時に遠近法やパースとよばれる技法があります。

遠くに行けば行くほど物は小さくなって最後には見えなくなる点を消失点といい、
消失点が1つものを一点透視法、2つものを二点透視法といいます。

名所江戸百景 する賀てふ 歌川広重「東都名所」歌川広重

左図「名所江戸百景 する賀てふ」 歌川広重
右図「東都名所 吉原仲之町夜桜」 歌川広重

ブラインドの窓から見た景色は、正面から見た時(ブラインドが水平に見える位置)では一点透視法、少しずれてブラインドが斜めに見えるときは二点透視法に近い見え方がしているのがわかります。でもそれだけでこの窓からの風景は説明がつくでしょうか。

2.京都の街並み「碁盤の目」

このパースという視点と、京都の街並みが今回の窓からの風景に関わっていそうです。
京都は碁盤の目といわれるように東西南北に道があり、家が同じ方向を向いて建っています。

map.jpg

GoogleMap

俯瞰してみると弊社と窓から見えていた家も平行に建っているのがわかります。
どうやら目の前のブラインドと町が平行になっていたから顕著に起きた現象のようです。

もうすこし丁寧に言えば
「ブラインドと家が平行なので、窓を斜めから見た時でも消失点が一致したために起こった現象」のようです。

消失点.jpg

ということは逆に、みなさんの家から景色をみたときにブラインドと重なる家があれば
その建物は平行に建っているかもしれません。

ちょっと見方を変えるだけで、窓からの景色も違って見えるのではないでしょうか。
ぜひ気にしながら窓からの風景を眺めてみてください。

平河 翔