6. ゆらゆら揺らしたい!――「安全で」「楽しい」動く装置のつくりかた


2024.05.23

科学館の展示装置をつくっているMedico-tec株式会社のお仕事紹介、第6弾です。

前回までは、「くるくる回る」動きについていろいろとご紹介してきましたが、今回は ものを吊り下げて「ゆらゆら揺れる」動きを取り上げてみたいと思います。

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「ゆらゆら揺れる」動きにも、メトロノームのように 大きく揺れる部分が支点の上にあるものや、植物のように構造体がしなることによって揺れる場合など色々ありますが

今回は科学館の展示装置に多い、高い位置から物を吊り下げて揺らす「ふりこ」の場合をご紹介します。

ふりこ は科学館の展示装置のド定番アイテムのひとつで、様々な種類があります。

複数個のふりこを組み合わせた展示

長さが違う、オモリの重さが違うなど、条件を少しだけ変えた複数のふりこを同時に揺らして揺れる周期を確かめたり

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ふりこのオモリ同士をぶつけたときのふるまいを観察したり。理科や物理の授業で習う ふりこの運動を実際に触れて確かめられる展示です。

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Y字ふりこを用いた装置(リサージュ曲線)

ちょっと変わり種のふりことして、Y字振り子をつかって『リサージュ曲線』を描く装置があります。

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きれいな模様が描ける原理が「三角関数の合成」と高校生の学習分野なので、解説が難しくなるためか数は多くありませんが、その見栄えの良さゆえに科学館の広報にも一役買っているようです。ネットに動画が上がっているので見てみてください。

フーコーのふりこ

一時期、大流行していたらしいフーコーのふりこ。全国各地の科学館のみならず、学校やアミューズメントパークなどでも見ることができます。

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ふりこの全長はたいてい10m以上あり(日本最大級は45mあるとか)、オモリの重さは数十kgとスケールの大きいふりこです。あまりに大きくて全体像をとらえた写真がなかったので、解説用ディスプレイの写真も載せておきます。

カオティックふりこ

「予測できないふりこ」という名前で展示されていることもあります。自由に回転する棒状のふりこの先に、もうひとつの自由に回転するふりこがついていて、真ん中のふりこを揺らすと全体がとても複雑な動きをしはじめます。

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この動きに関しては、ぜひ見ていただきたいので動画のリンクを置いておきます。

122 予測できない振り子 テストランニング Medico-tec (https://youtu.be/mZ3LqYY1iW0?si=b1KNYXZsdNffDeK1)

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今回は「ゆらゆら揺れる」装置の事例紹介でした。

次回はこの「揺れる」装置のほぼすべてに使われている、ものを吊り下げるときに使う部品などを見ていきます。

ほぼ、と書いたのは、カオティックふりこなど一部のふりこは ひも状のもので吊るすのではなく、細長い板や棒状の部品に軸を通して回転するように固定することで ふりこの動きを表現しているためです。

その場合に使われているのは、前回まで話題にしていた「くるくる回る」装置に欠かせない軸受であり、軽い力で回ることが求められるのでベアリングが採用されています。

同じような動きをつくるのにもアプローチの仕方が色々あって、ものづくりって面白いなあと思わされます。

矢野恵美