「とろみ」は科学


2022.11.14

11月になり寒さも本格的になってきました。

体を温めるには温かい料理を食べるのが一番です。

その温かい料理で活躍するのが「とろみ」です。




皆さんどうやって「とろみ」が付くか知っていますか?

片栗粉を水で溶いて入れるととろみが付く!とすぐ出てくると思いますが




なぜ片栗粉?なぜ先に水で溶くの?と思ったことありませんか?




まず片栗粉ですが

片栗粉はカタクリという植物の根から作られたデンプンの粉のことなのですが

自生のカタクリが減少し、また明治以降北海道の開拓が進みジャガイモが大量に栽培されるようになり、名称はそのままで片栗粉はジャガイモから製造されるデンプンとなったそうです。

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カタクリ

Alpsdake - 投稿者自身による著作物, CC 表示-継承 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=17762321による

その片栗粉に含まれるデンプンによって「とろみ」が生まれています。




生のデンプンは固い状態です。

そこに水を加え加熱することで「デキストリン」いうのり状の成分に変化します。

これをデンプンの糊化(こか)といいます。




先に水を入れて片栗粉を溶く作業は、

加熱する前にデンプンにしっかりと水を吸わせることで安定してとろみを起こしやすくするためだったのです。




またデンプンの固まりだす温度は種類によって異なります。

小麦粉やとうもろこしは80?90℃、片栗粉は50℃?60℃で固まりだします。

つまり、片栗粉は低い温度で固まりだすため扱いやすいというわけです。




何気なくやっていた事も詳しく調べると仕組みがわかり

今後ダマにならず綺麗にとろみを付けることができるのではないでしょうか。

宿野裕一朗

参考資料

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%89%87%E6%A0%97%E7%B2%89

https://study-z.net/100060093/2

https://www.1101.com/kasoken/2003-06-27.html