変身物体を作る試み

生活の中のSTEAM(科学・技術・工学・芸術・数学)シリーズ。
今回は技術につながるお話です。

この冬休みに流行り病になり、部屋に引きこもることになってしまいました。
からだを動かすのは最低限にしながら、ひさしぶりのまとまった時間でできる事はないかな、
と思ったすえに3Dプリンターでものづくりすることにしました。

今回のテーマは変身立体。
錯視の一種としてSNSなどで見たことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。


topgarageroof.jpgのサムネイル画像

代表的なのは見えている立体と鏡に映った立体が違うものに見えるという錯視作品。
参考:明治大学の杉原厚吉教授の変身立体
http://www.isc.meiji.ac.jp/~kokichis/ambiguousc/ambiguouscylinderj.html

3D.jpg

観測点が2点あって、それぞれから違う図形が見えるように3Dでブール演算すると作れます。
3Dプリンターで作れる上に単体で成り立つので、プリンター初心者も作りやすくておもしろいものになりそうです。



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作ったデータをスライサーに取り込みます。
今回はサポート材を追加設定します。

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少しずつ形が見えてきました。いつも出力されるときはワクワクします。

プリンタ出力.jpgのサムネイル画像

今回加熱温度が低かったのか、部屋が寒かったのか。積層していた部分に割れ目が入ってしまいました。
データ作ってプリントボタンをポチっとなで完成するかと思いきや意外とデリケートなようです。
接着剤を入れてヤスリ直します。

事前に3Dモデルの状態で重心を調べ、バランスが取れる位置に穴をあけておいたので
穴に紐を通すと完成です。

錯視立体.gifのサムネイル画像

丸.jpgのサムネイル画像四角.jpgのサムネイル画像

丸だと思っていた造形が回転すると四角になる変身物体。
いかがでしたでしょうか。

3Dプリンターはなかなか導入するまでハードルが高いですが、できることが拡張されて
想像だけで終わっていたアイデアを実現できる魔法の道具だと感じています。

もし導入を迷われている方はぜひチャレンジしてみてください!
生活の中に3Dプリンターが加わるとどんなことができるのか
ひきつづき実験&報告していきます。

平河 翔