日本の木は伐って活かすべき時代


2023.05.08

皆さんは森や木のことをどれくらい知っていますか?

私は、今、8月のイベント企画で、森に行ったり、森の施設の関係者の話しを聞いたり、資料調査しています。


日本は面積の66%が森で、先進国の中では3位で、54%が天然林で41%がスギやヒノキなどの人工林で、雨が良く降り、木が良く育つ「森の国」です。

だから、私たちの祖先は、昔から森や木と共に暮らしてきました。

先人は、千年以上前に奈良の法隆寺を建立し、最古の木造建築物となっていますし、城や橋、家も木でつくってきています。

また、生活道具の、風呂や桶、器も木で作られてきて、燃料も薪を使っていました。私達の暮らしは、木で成り立っていた「木の文化の国」でありました。

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明治維新以降、人口増加と近代産業の発展に伴い、木を沢山伐採したために、はげ山が各地で広がりました。

今、見ている森の木の多くは、第2次世界大戦後に、私たちの祖父母が植えたスギやヒノキといって人口の森なのです。

この木々は植えられてから50年以上たち、ちょうど使い時を迎えていますが、今の便利な暮らしは、石油やプラスチックなどの化石資源が中心で、木の利用も森を守り人も減ってしまっています。

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化石資源を使い過ぎ、地球温暖化に悪影響を与えているため、今、再び森や木に注目が集まっています。

国連はSDGsを掲げ、日本も木を切って「使って、植えて、育てる」サイクルをつくろうと、

平成17年度から、木材を利用することの意義を広め、木材利用を拡大していくための国民運動として「気づかい運動」を展開して頑張っています。

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私たちが森から受ける恩恵は、私たちにおいしい水や空気をつくるだけではなく、

山の土砂崩れや洪水を防いでくれますし、森にはたくさんの動物がいて、植物が育ち、人も森に行くと元気になれます。


8月のイベントでは、木をSTEAM教育の視点で展示して

「木の心地良さ(S科学)、木と燃料とその利用(T技術)、木と家づくり(E工学)、木と工芸(A芸術)、木と強さ硬さ、重さ、価値(M数学)」等を

子供たちに紹介して、持続可能な時代に向けて「木は伐って生かす時代」として、木と共に生きることを学び実践するきっかけにしたいと思っています。



宿野秀晴