鳥人間・進化と学び


2023.09.11

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先日、「鳥人間コンテスト」がテレビ放映されていましたが、ご覧になられたでしょうか?




私が子供の時、知り合いの知り合いが「鳥人間コンテスト」に出場すると言うことで、工場に製作の様子を見学させてもらい、会場の琵琶湖松原水泳場まで応援に行く機会がありました。当時は、滑走台から飛ばずにダイブする機体が多く、それ自体も楽しむような、お祭りのような大会でした。それでも時々は、よく飛ぶ飛行機が登場し会場を盛り上げていました。




そんな大会でしたが年々本気度が増し、対岸に届くものや琵琶湖大橋までたどり着く機体が登場し、琵琶湖には収まらないようになりました。そのため折返しコースになり決められた地点を往復するルールに変わっていきました。



今年は、「スタート地点」→「沖島」→「スタート地点」→「竹生島」→「スタート地点」と2つの島を往復して戻る70kmのコースに設定されていました。

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出典:© OpenStreetMap contributors

 さて今年の優勝記録は、完全制覇エリアまで18mの実に惜しい結果だったのですが、それでも69,682.42mというほぼほぼ「70km」と言ってもよい大記録でした。「70km」は直線距離で日本海や名古屋、大阪まで届く距離です。ちょっと人間業とは思えない、知力・体力・技術・経験が実に高いレベルで結実した偉業だと思います。

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出典:© OpenStreetMap contributors

 私は子供の時、なんとなく空への憧れがあったのですが、今思うと鳥人間から色々と学ぶことがあったと思います。例えば機体はスケルトンで出来ているので、揚力を生み出す翼形や、強度をギリギリ保ちながら徹底的に軽量化された骨組みの構造もよくわかります。

 また動力が人力ということもあって、効率よく機体の姿勢制御をする技術が求められます。垂直尾翼のラダー(方向陀)を操作し無駄なくルート上を飛行し、水平尾翼のエレベーター(昇降陀)で機首の向きを変え揚力や速度をコントロールします。鳥人間は非常に軽量にできているため、舵角のつけかたで機体の挙動がすぐさま反映される様子がよくわかります。

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出典:DMC森精機株式会社/鳥人間クラブBIRDMAN HOUSE 伊賀

いろいろと発見や学びが多いですので、私もいつか子供を連れて大会会場まで応援しに行きたいなと思っています。皆様も技術的な部分にも注目すると、より楽しめると思いますので、次回開催されるときは、そのあたりも含めぜひご覧ください。

吉岡 亮




参考リンク

讀賣テレビ放送株式会社/Iwataniスペシャル鳥人間コンテスト2023

https://www.ytv.co.jp/birdman/

DMC森精機株式会社/鳥人間クラブBIRDMAN HOUSE 伊賀

https://www.dmgmori.co.jp/trend/detail/id=6784